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4. 行方不明
翌日、学校は大騒ぎだった。
氷室さんが行方不明になったのだ。家出か事故か、事件なのかもわからない。
氷室さんのクラスでは一人ずつ担任の先生から聞き取りをされたとか、警察も捜査しているとか、学校が終わると先生達が手分けして探すらしいとか、いろいろな噂が私のクラスにも入ってきた。
午後の授業は自習になり、私と琴子ちゃんも担任の先生に呼ばれて話を聞かれた。
昨日の氷室さんと私達のことを、取り巻きの誰かが先生に言ったのだ。
昴太の名前を出して迷惑をかけるのがいやで私は黙っていたが、琴子ちゃんが昨日の会話の内容を先生に話してしまった。
実は私は、琴子ちゃんが何かしたのじゃないかと疑っていた。あの時、最後に“いなくなればいい”と彼女は言っていたから。
職員室を出た私は、「琴子ちゃん、氷室さんの行き先、知らない?」と聞いた。
「え? 私が? 知ってるわけないでしょ」
琴子ちゃんは笑って否定したので、私は信じることにした。
私達がしゃべったからだろう。次に昴太が呼ばれて、教室を出て行った。
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