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プロローグ
泉誠は、妻の沙羅のもとへと急いで帰っていた。
──今まで色々あった。傷つけたことも、沙羅の優しさに甘えて、許されないこともした。これから誠心誠意尽くしてやり直そう。
出来心で始めた浮気を、妻は許してくれると言った。一度失いかけて、気づいたが、間にあってよかった。もう二度と沙羅を傷つけたりはしない。
鍵を開け、玄関にもリビングにも灯りが灯っていないことに気づく。灯りを点けて、部屋から沙羅の荷物が消えていることに気づく。
誠は、それを見て妻はもう戻らないことを知り、その場に立ち尽くした。
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