あれ?

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あれ?

 クラスの中で、二人、欠けているメンバーがいた。    一人は、若くして、糖尿病で亡くなった男子。  もう一人はもっと若いときに、実家で自分に火をつけて自死してしまった女子。  みんなが輪になって話している時に、礼子は、結局何人集まったんだろう。と思って、人数を数え始めた。  担任は6年間で2人。全員参加だから同級生は23人で全部で25人いるはずだった。    何度数えても、27人いる。  輪になっているし、お酒が入っているので、数え間違えているのか?と思い、なんどか数えたが、どうしても27人いる。  礼子は一瞬ぞわっとしたが、亡くなった二人の顔がいるわけでもない。    知らない顔がいるわけでもない。  でも、27人いるのだ。  その時、フッと、礼子の後ろで、 「久しぶり。」  と、自死した女子の声が聞こえた。  礼子が振り向こうとすると、 「おう!」  と、中学校までクラスが一緒だった、糖尿病で亡くなった男子の声がして、肩を叩かれた。  慌てて、振り向いたけれど、誰もいない。  もう一度数えてみると、25人になっていた。 『あぁ、二人共みんなに会いに来て、今、帰って行ったのか。』  礼子は、怖いとも思わずに普通にそう思った。  大勢で騒いでいたし、本当に久しぶりにみんなに会える機会だったのだ。  そういえば、二人共地元で亡くなっている。  この騒ぎを聞きつけて、急いで会いに来たんだろう。  礼子は、二人の顔を思い出そうとしたが、昔の顔はなぜかおぼろげで、はっきりとは思い出せないのだった。 【了】  
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