目覚めと青い炎

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 玄関を開けると懐かしいわたしの部屋の匂いがした。  一気に力が抜けた。疲れ切っている。  忙しい一日だった。  何もする気になれずベッドに身体を横たえた。  そういえばこんな風に布団をかぶって目を閉じるのは何日ぶりなんだろう。  あんなに怯えて自分を壊そうとしていたなんて反省ね。  これからはわたしを大切にしていかなきゃ。  テレビのニュースにもならないような小さなレボリューション。  ネットの海で少しだけ拡散されていいねが押されて消えていくだけで。そのうち過去にまぎれていくだけだ。  静かに眠りに落ちていく。  身体はもう動けなくて、意識が最後まで残っていて、ふ、っと落ちるみたいに消えていく。  今日のわたしはもういない。  朝目を覚ますと、いつもとは違うわたしになっていた。  もうあの会社にはいかない。  いつもの服は着ない。  靴も履かない、当然カバンを持つ必要もない。  鏡の前でわたしを見る。  姿形はかわっていない。  だけど心が変わっている。  わたしは、わたしじゃないものになっている。    伸びをしてカーテンを開けるとまぶしい朝日に照らされた。  憂鬱だった心が晴れて清々しい気持ちでいっぱいになる。  ああ、わたしは違うわたしに化けた。  なんていい気分だ。  fin  
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