タイムトラベル

「この時代の知識を生かすことで何とか食いつなぐことが出来ました。わたしを本採用の研究者にしてもらえますよね？」
　わたしは教授の手をつかんで懇願した。

「それは……いいけど。でも、どうしてこの研究論文をその昔の世界で発表しなかったんだね？　多分、君が教授になっていたと思うよ。あはは」
　と、わたしの苦労を笑い飛ばした。
　まさに暗黒の４０年だった。了