5人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「そうだー!!!」
と、ハナはいきなり立ち上がって奥の部屋に行ってしまった。一人暮らしにしては広い部屋だなぁ。2ldk……誰か住んでたのか?彼氏……いたってことか?
アイドルのプライベートは謎で、知ろうとは思わなかった。
それでいい。夢や希望と活力をもらっているから。知ってしまったら悪夢であろう。
メイクを落としたらブッサイクだったり、めっちゃニコニコしてるけど、心の中はトゲトゲしてたり、オタクを神対応してても裏ではめっちゃ悪口を言ってたり、
恋人いないとか言いながらも実は裏で恋人がいたり、セックスに溺れてたりするんだよな。
ハナは……ハナはどうなんだ? いや、知らなくていい。でもこのままここにいたら知らなくてもいいことも知ってしまいそうで……
今なら間に合う、今日はサンダルで来てしまったからタクシーを呼んで……帰るんだ……!!
「トクさん、懐かしいもの持ってきました!」
と、ニッコニコで箱を持ってきたハナ。そして目の前に置かれる。……見覚えのある封筒……色とりどりの。
その箱には
『トクさんBOX』
と書いてある。
……!!! ぼくがハナに書いたファンレター!!!
最初のコメントを投稿しよう!