「黄」

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「黄」

 次の日、僕は何を思ってか、ナイフを持って学校へ行った。幸いうちの学校は、校則がゆるく、服装チェックなどはなかった。 教室に入ってすぐ、昨日ボコボコにした不良が立ちふさがった。体中傷だらけだ。 「なんですか…?」 「まさか、忘れたとは言わせねえぞ?」  なあお前ら、と周囲の取り巻きに賛同を求める。  取り巻きも、笑いながら「そうだそうだ」と言っている。     とてつもなく、みっともない。  その不良が僕の胸ぐらをつかみ、 「やり返しだ!」とか言いながら、殴ってきた。  何故か自然と、口元に笑みが浮かんだ。  そして、僕は、気づけばカバンに入れていたナイフを出し、その不良を刺した。  その時、周囲からキャー!!!!!!という悲鳴が上がった。何故か…楽しいと感じた。 その瞬間、世界に最後の色の黄色が灯った。楽しい、気持ちがいい、など快楽を象徴するという。 流石に、1撃では死ななかったらしく、下から、くぐもった「うぅぅ」という声が聞こえた。  我は、笑いながらその不良を刺した。  不良は、 「やめてください」「許してください」「ごめんなさい」  などと言っていたが、とくに心に響くものがなかったため、彼を、                                          殺した
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