2 姉妹の買い物

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 そして姉のフローラも、とても頼りになる妹のことが好きだった。自分の意見を物おじせずにはっきり主張する妹が格好いいと思っている。厳しい物言いが多いけど、真っ当で正しくて、とても優しいステキな妹。  幼い頃、フローラは珍しい花を見たくて勝手に遠出することが度々あった。その度に両親に叱られて、晩ご飯抜きになった時、キャシーはいつも夕飯のパンをこっそり残して持ってきてくれた。  メソメソと泣きながらパンをかじるフローラに向かって、呆れた顔で小言を言いながらもキャシーはいつも側にきてくれた。まるで私が妹みたいだと、フローラは時々そう思う。  フローラは、幼い頃から花や植物が大好きだった。植物の知識をあっという間に蓄えて、すでに独立して一人で花屋を切り盛りしている。  周りの人にはしっかり者と思われているが、ただ植物や花が好きなだけで、あんまり他のことに気が回らないのは、身近にいるキャシーにはよくわかっていた。恋愛ごとなど見事にポンコツで、いまだに見合った恋人もいない。
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