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ちびっこ哀留②
哀留side
前回、皆川先輩に舐められちゅーされギャン泣きした、哀留です。
現在意味不明のちびっこです。
体は子供、中身は高校生です。
あの後、声が枯れるまでギャン泣きしてやったぜ!皆川先輩の耳元でな!!!!(ドヤァ)
「うるさっ」て言われて抱っこ体勢から降ろそうとしてたけど、それは俺の両腕が離さなかった。
耳元で、子供の超音波のようなギャン泣きを聞きやがれ!!
あの皆川先輩をげんなりさせた俺は、勇者だと思う。
てな訳で、現在購買なう、です。
「いらっしゃーーーー…………??!!!」
学園内で有名な皆川先輩が、子供を腕に抱き現れて購買に居る店員さん(イケメン)は、驚きのあまり2度見した。
「ほら、哀留どれが良い?」
皆川先輩はそれを無視して、購買内の商品を見やすいように抱っこしながら店内を歩いてくれる。
コンビニみたいに、日用品はもちろんお菓子・飲料・冷凍食品・アイスなど品揃えは良い。
買ってもらえるんだから~と、何にしようとまだ水分で潤っている目をキョロキョロ動かしていると………
ある箇所に目が止まる。
「みながわしぇんぱ、あれ、あれがいい!!」
「ん、どれ?」
「あれ!!きいろいの!」
皆川先輩の腕の中から身を乗り出すように指をさしていると、「ほら」と降ろしてくれた。
よっしゃ!と久しぶりに地面を歩いて(ずっと抱っこされてた)(しかし、足が短くて歩きにくい)お目当ての物を両手でしっかりと掴む。
「おれこれがいいー!」
とったどー!!と両手でそれを頭上に掲げて見せる。
それは俺が普段高くて買えない、「プリンアラモード(最高級の果物添え)」だった。
ホイップクリーム・カスタードクリームたっぷりで果物たっぷりの、キラキラとした黄色いプリン。
「は?デザートにこの値段???」って何見する程のお値段で(基本的にここの商品は高いけど)、でも食べてみたいな~って目をつけていたのだ。
それを!!食べれるなんて!!こんな機会逃すわけが無い!!!!
だめかな?高い?やっぱダメ??でも買ってくれるんだよね??言ったよな!!!
と、皆川先輩に目で全力で訴える。
これで「違うのにしよう」て言われたら、また耳元でリサイタルしてやるからな。
と。
「ん、それだけでいいのか?」
神か!!!!!!!!!!!!(ちょろ)
すんなりと、俺のプリンアラモードを買ってくれて。更に飲み物も買ってくれて。
なんて優しいんだ皆川先輩!!!(ちょろ)
購買を出る時に「あり、がとうございました???」と店員さんを再び混乱にし。購買を出たあとは再び抱っこされたが(俺が歩くの遅すぎて歩調あわせるのが面倒らしい)、俺は今にっこにこだ。
が。
皆川先輩の足取りが迷いなく進むことに、ふと気づく。
「どこいくの?ふうきしつ??」
もちろんそうだよな?
風紀室に戻って、そこで俺はプリンアラモードを食べるんだよな??な???
と聞くけれど、「着けばわかる」とそれ以上は言ってくれない。
てかな、笑ってんだよこの人。
この人が笑ってんのって、ろくな事が無いんだよ。
で。
「到着ー」
「……………」
そこで俺はスペキャ顔になった。
たどり着いた先は、
『生徒会室』
だった。
だよねーーーーーーー!!!!!!!素直に風紀室(俺の城)に行ってくれるわけないよねーーーー???!!!
むしろ、
「いまのおれのすがたでここにはいるのは、れべるがたかい……」
絶対中に月ちゃんと蜜埜は居るじゃん。
こんなん、絶対色々言われるじゃん。
それをもちろん見越してなのか、
「愉しいだろ?」
と、間近でイケメンの笑顔を頂きました。愉しそうに、にこにこしていらっしゃいます~
返品お願いします!!!
当然、「入るぞ~」と俺の意見なんぞ無視で生徒会室へと入る皆川先輩(抱っこ中の俺)。
そこに居た人物は、皆川先輩を見た瞬間に心底嫌そうな表情を浮かべて。
次に、腕の中で「スンッ( ˙꒳˙ )」て表情をした俺を見て、
「誘拐か」
断言しちゃったよ。
皆川先輩、蜜埜からの信用性ないね!!!
知ってたけど!!!!!
そう、中に居たのは蜜埜なんだけどね。他に人は居ない。
だが、ここで流石の皆川先輩(愉快犯)
「これ、俺の子」
真顔で言いやがったよコイツ………
「うわぁ」とドン引きしてます、って顔で見ているとニンマリとした目と視線があった。
ちゅっ
「ぎぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!
ちゅーすんなっていってんじゃんかへんたいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」
「あっははははははははは(確信犯)」
こんの野郎!!!!!!!今度は、俺のもちもちの頬にキスしやがった!!!!!
一度ならず二度までも!!!!
グイグイと全身を使って、この変態から離れようと両手を使うが……
うわぁちからっょぃ…
体に巻き付く腕が離れないんだなぁこれが!!!!!!くっっそ!!!!!!!!
この一連のやり取りを見ていた蜜埜が、ここで一言言葉をもらした
「犯罪者(ロリコン)か」
何納得しながら見てんだよ。
助けろよ。
関わりたくありませんって、心底表情に出てんだよ。
ゴミを見るような目でこっちを見んな。
それは皆川先輩だけに向けろ。
だから俺は全力で叫んだんだ。
「みちゅや!!!おれあいりゅ!!!!」
舌っ足らず全開だぜ!!
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