後編

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後編

「ふふ……そろそろ屈服する気になりましたか?」 「……だ、誰が……するもんか」  ゲーム開始からここでの時間で2日ほど経っております。  相変わらず口では反抗しておりますが…… 「あら? 身体はそうでもないみたいだけど?」  わたくしは彼女の胸の突起に指先を少しだけ触れる。 「ひゃああああんっっっ!!!!!」  身体は最初よりも正直になって、その反応を示しています。  既に彼女の身体で反応しない部分は、もう無いですね。 「はぁ……はぁ……調子に乗るのもいい加減にしなさい。この性悪女!」  とアニエスがわたくしの後ろをちらちら見ながら、わたくしを挑発してくる。 「そんなに強がらなくても。楽になった方がもっと気持ちいいですよ? きっと……」 「ふんっ……そっちこそ、断罪される前の命乞いでも考えといた方がいいんじゃないの?」  と精一杯の虚勢を張って、わたくしを挑発してくるアニエス。  その姿を見てるだけで更に興奮してきますわ。 「時間はまだたくさんありますし、あなたで楽しませていただきますわ」 「……ふっ。あんた馬鹿じゃないの? 時間の管理も碌にできないのね」 「……?」  とアニエスの言葉を最後に部屋中にジリリリっと大きな音が響き渡った。  見ると72時間を示していたタイマーが『0』を示している。 「……あらあら」 「あはははは! 残念だったわね! このゲームあたしの勝ちよ!」  と勝利を確信して大喜びでわたくしを見下しているアニエス。  その表情もかわいいですわ。 「現実世界ではもう3時間経ちましたのね」 「ははは…………えっ……?」  とさっきまでの表情から打って変わって、ポカーンとした表情になっているアニエス。  ころころ表情が変わって、見てて飽きないですわね。 「何言って……」 「言ってませんでしたっけ? この部屋全体に時間加速の魔法がかかってますのよ」 「時間加速……?」  この部屋は、賊の尋問用に時間加速の魔法がかけられている。  簡単に言うと、この部屋の時間は外部よりも早く進んでいる。 「ここでの1日は、現実世界で1時間しか経ってませんの。つまり残り時間は『2日と21時間』……ここだと『69日』ね」  わたくしの言葉を聞いて怒りをあらわにするアニエス。 「ふざけんじゃないわよ!? そんなの詐欺よ! 無効よ無効!!!」 「あら? わたくしは最初に申しましたわよ。『現実世界で3日間』と」 「そ、そんな……」  と絶望した表情になっているアニエス。  ちゃんと人の話は聞かないからいけないんですよ。 「いい教訓になりましたわね。これからは人の話は細部まできちんと聞いた方が――て、あら?」  緊張の糸が切れたアニエスは、身体の力が抜けて足元に大きな水溜まりを作り出してしまいました。 「あらあら。許可なく粗相してはいけませんよ。これはもっと教育しないといけませんわね」 「……あ、あた……」 「?」 「あたしの……負け――んぐっ!」  わたくしはアニエスの口に布を咥えさせました。  丁度いいところに彼女の服が合ったので。 「あら? 何か仰いまして?」 「んがっ、んががぎの――っ!」 「なんて仰ってるかわかりませんけど、屈服するときはちゃんと仰ってくださいね?」  ちゃんと喋れたらの話ですけど。 「まだまだ時間はたっぷりありますからね? 頑張って抵抗してくださいね?」 「んーっ! んんーーっ!!!」  ああ、希望が打ち砕かれた後の絶望に満ちた表情。なんて素敵なんでしょう!!  まだまだ時間はたっぷりありますからね。  最後まで楽しませていただきますわ。 ◆◇◆◇◆  楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのですね。  ゲームの時間も残りわずか。 「アニエスさん? そろそろ負けを認めていただけます?」 「――――」  あらあら、反応が無くなってしまいました。  これで心が壊れるの何度目でしょうか。  わたくしは、精神回復の魔法を彼女にかけて差し上げます。 「! ――っ! ――っ!」  よかった。ちゃんと意識が戻ったわ。  わたくし、ものは大事に扱う主義ですの。 「まだ壊れていないようで安心しましたわ」  おもむろにわたくしはアニエスの拘束をすべて解いた。  ドサッと床に倒れこんで、ピクピク体を痙攣させているアニエスに対して、今度は体力回復の魔法もかけて差し上げます。  回復魔法のおかげで自由に動けるようになった彼女ですが、わたくしに歯向かってくるかと思いきや、床に膝と手をつき、頭を垂れている。  前世でいう『土下座』です。 「あ……あたしの、負け……です」 「あらそう? じゃあゲームはわたくしの勝ちね。あなたは今日からわたくしのペット。いいわね?」 「は、はい……わかりました……ご主人様」 「あら? 最初から『ご主人様』呼び出来て偉いわね。立派なペットにはご褒美あげなくてはね」  とわたくしは自身に魔法をかける。  女性に男性の象徴を一時的に生やすことのできる魔法を。  わたくしに生えた象徴を見たアニエスは、一目散に駆け寄ってきて舐め始めました。  美味しそうにむしゃぶりつくその姿は、わたくしの求めるペットに相応しい姿。  乙女ゲームのヒロインはペットになる才能もあったのかしらね。 「これ、どこにほしい?」 「あ、あたしの中に……ほしいです」 「いいの? あなたの純潔でしょ?」 「はいっ。ご主人様にあたしの純潔を奪ってほしいです」  とアニエスは、両足を大きく開き両手で股を開いてこちらにおねだりしてきた。  その姿にわたくしの感情も昂ってきて、それに合わせて象徴も反り立っている。 「それでは…………いただきます」  ズブリとわたくしのものが彼女の中に入っていきました。 「んぐっ! ああああっ!――――っ!」  破瓜の痛みとこれまでの調教で高められた感度による気持ちよさが混ぜ合わさって、声にならない喘ぎを出しているアニエス。  その姿はわたくしの欲情を更に誘うもので、腰の動きが一段と早くなっておりました。 「このまま中に出しますわよ!」 「は、はいっ! ご主人様の、あたしの中にください!!」  腰の動きに合わせて高められたものを、彼女の中の一番奥に押し付けたタイミングで一気に吐き出した。  アニエスも、それに合わせて全身をビクッと痙攣させた。 「まだまだ萎える気がしませんわ。どんどんいきますわよ!」 「ご、ご主人様……少し休ませ――ひぎっ!」  魔法との相性がいいのかしらね。  全然萎える気がしなかったわたくしは、あれから2桁はゆうに超える回数彼女で致してしまったわ。  途中からアニエスは気絶してたけど、そのことに気付くことすらありませんでしたわ。  これは……魔法の改良が少し必要かもしれませんね。 「――アニエス!」  学園でわたくしと昼食を共にしていたアニエスに話しかけるアラン殿下。  アラン殿下はいつものように側近を引き連れてきていた。  わたくしの方もアニエス以外に、側近の婚約者の方々が一緒です。 「どうかなさいまして? アラン殿下」 「そ、そんな他人行儀で呼ばないでくれ。また前みたいに君の作ったお菓子が食べたいな」 「なりませんわ。わたしは平民です。殿下のそばにいるなど恐れ多いです」  とアニエスは、アランからの誘いをキッパリと断っている。  アラン殿下はアニエスからの拒絶に、呆然としたがすぐに怒りをあらわにしました。 「ビクトリア! 貴様っ! 私のアニエスに何をした!!!!」  怒りの矛先が一緒にいた当然のようにわたくしですわね。 「別に何も? アニエスと仲良く昼食を共にしているだけですが?」 「とぼけるな! アニエスは貴様を怖がっていた! それなのに一緒に昼食だと? 絶対貴様がアニエスに何かしたに決まってる!」  流石に馬鹿な殿下でもおかしいことに気付きますか。  まあ気付いたからといって関係ありませんが。 「ただアニエスとお話しただけですわ。ねえ? アニエス?」 「はいっ。わたし、ビクトリア様たちのこと誤解してました。皆さま本当はやさしいお方なんです!」  アニエスの表情は嘘偽りのないもの。  それはアラン殿下たちにも分かったようね。 「そ、そんな……私のアニエス……」  と呆然とした表情になっている殿下。  側近の方たちも信じられないようなものを見た表情になっている。  側近の婚約者がたは、それを冷ややかな目で見ている。  わたくしは殿下の表情に愉快な気分になりながらお菓子に口をつける。 「……あら?」  食べたお菓子の味に疑問を感じたので、アニエスに聞いてみることにした。 「アニエス? これを作ったのはあなた?」 「はいっ……お口に合いませんでしたか?」 「いえ? おいしいけれど……」  確かにアニエスが作るお菓子と同じ味がする。  同じ味だけど何かが違う気がする…… 「本当にあなたが作ったの? わたくしに嘘はいけませんわよ?」 「……ごめんなさい。アニエス様のお家の料理人に同じ味で作っていただきました」  わたくしの問い詰めに観念したアニエスは正直に白状した。 「やっぱりね。なんか違う気がしたわ」  わたくしたちがいない間、学園で殿下たちが食べていたお菓子とはこれのことね。  アニエスが作ったものじゃないことに気付かないなんて、殿下たちの愛ってその程度なのね。 「わたくしを騙そうなんて、いけない子ね。これは教育が必要かしら」 「はいっ! ぜひお願いします!」  悦んだ表情をしたアニエス。  周りに気付かれないようにアニエスのスカートの中に手を入れると、下着がぐっしょりと濡れていましたわ。  これは……念入りに教育が必要なようね。 「丁度明日から休日ですし、皆さんもご一緒にいかがかしら」 「いいですわね~」 「ぜひご一緒させていただきますわ」  と殿下たちのことをそっちのけで話に花を咲かせるわたくしたち。  気付いた時には、殿下たちはその場からいなくなっていました。  攻略対象といっても所詮はこの程度なのね。拍子抜けだわ。 ◆◇◆◇◆  休日の侯爵家。  わたくしは攻略対象の婚約者たちを我が家に誘い、午後のティータイムに花を咲かせています。 「そういえば私、婚約解消になりましたの」 「奇遇ですわね。私もですわ」  騎士団長子息の婚約者だった子爵令嬢の言葉を皮切りに、皆さん近況について話し始めました。  わたくしの予想通り、皆さん攻略対象との婚約が解消となったそうです。 「ビクトリア様が改良した魔法のおかげで、同性同士でも子供ができるようになりましたから、わざわざ婚約を続ける必要もありませんしねぇ」  魔法で同性同士で子供ができるようになりました。  おかげで政略というなら候補は同性同士まで広がりましたから。 「ビクトリア様がアラン殿下との婚約が解消されたのも理由の一つにありますけどね」  そうなのです。わたくしアラン殿下との婚約は解消となりましたの。  ロレーネ侯爵であるお父様に、これまでのアラン殿下たちの学園での振る舞いと改良した魔法の術式を材料に、陛下に交渉していただきましたの。 「アラン殿下たちはほんとうに――」  と婚約解消から攻略対象たちの愚痴大会がわたくしたちの間で繰り広げられていたところ、とある準備をしていたメイドがサロンに入ってきました。  リードに繋がれたアニエスを伴って。 「ビクトリア様のペットの、アニエスちゃんは相変わらず可愛らしいですわね……」 「今日は犬の耳と尻尾ですか……」  メイドの持つリードはアニエスの首輪につながっており、メイドの歩みに合わせて四つん這いでこちらに歩いてきます。  アニエスは生まれたままの姿で、犬耳と尻尾を生やしています。  ペットに服は不要でしょう?  あと、犬耳は魔法で直接頭から生やしています。  尻尾は魔法ではありませんよ。そちらの方が尻尾弄ったときの反応が楽しめますからね。 「皆さま? 今日はアニエスと何して遊びます?」 「先に学校でのビクトリア様に対する振る舞いの教育からでは?」 「いいですわね? とりあえず鞭使います?」 「わたくし、お尻叩いてみたいですわ♪」 「それは赤子のしつけでは?」  と各々思いついたことを言い合っております。  そんなことばっかり言っているとアニエスが怯えて…… 「全部! 全部お願いします! ご主人様!」  アニエスは目をトロンとさせながら訴えてきた。  ……立派に育って嬉しいことです。  こうして乙女ゲームのヒロインだったアニエスは、侯爵家次期当主であるわたくしビクトリアの専属侍女兼ペットになり、生涯に渡ってわたくしや、攻略対象の婚約者だったわたくしの友人たちから、可愛がられることとなりました。  その後、アニエスは毎年のように立て続けに子供を出産していきました。  その子供たちの髪色は、偶然わたくしや友人たち誰かの髪色をしていたそうな……  え? 乙女ゲームの攻略対象はどうなったのかって……?  あー……攻略者たちのその後は良く知りません。  特に興味ないので。  聞いた話では、皆さん廃嫡されて家から追放されたそうです。  果たして今はどこで何をしているやら……  まあ乙女ゲームの攻略対象だった方たちですし、どこかで逞しく暮らしていることでしょう。  そんなことより、アニエスの教育の方が大事です。  今日はどんな教育調教をしましょうかしらね……  わたくしは悪役令嬢……無事、ヒロインを攻略対象から寝取りました♪ [完]
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