7.千馬の守り神

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7.千馬の守り神

社長室から数歩先の副社長室へ。 私のスマートウォッチでドアの鍵を解除し中に入る。 明け方に私のスマホに真守くんから定時連絡が入っていた。 私が出勤してくるまで仮眠して待っているそうなので、そおっとドアを開け閉めして。 三徹で仕事をやり遂げた後だから、眠っていたら起こさないように。 持参した差し入れだけ置いて寝顔でも拝んで仕事に励もうと思った。 イヒヒ♪と呑気に入室するも、空っぽでシーンとしたオフィス。 真守くんの姿はなくキョトンとして佇んだ。 博士のオフィスにでもいるのかな? 差し入れを置いて帰ろうと副社長のデスクまで歩むと、違和感ありありの私の写真に顔が緩む……ん? モニターに挟まれた額縁の前にメモ書きが置いてあって、あたかも私に宛てられたように見えたので読んでみる・・・ 「えっと…?   少し旅にでます、心配しないで。  は!? なんで!?」 瞬時にパニック! いきなり旅にでるって……失踪!?!? 大変っ。どどどどどうしよう?? とりあえず電話を… あたふたした手で真守くんのスマホにかけてみるも、コールもしないし電話ができない。 音信不通……どうなってるの!? 落ち着いて、落ち着いて〜。 出かけたってことだろうから、田辺(たなべ)さん! 田辺さんに電話をして確認してみよう! 「RRRRR… はい、田辺です」 「田辺さん!小春です!真守くんが何処に  出かけたか知ってますか!?」 「奥様!真守坊っちゃんは田舎に来ていて、  山林に一人で入って行ってしまいました」 「山林!?」 何をしてるの真守くん!? 田辺さんの話によると、 会社から腕時計を見ながら何かを探す様子で、光が見えるとか馬が待ってるとかオカシイ事を言っていたそうだ。 真守くんの変なスイッチ入っちゃった!? マズい… 暴走している可能性大。 ここは妻である私が! 真守くんを止めにいきまぁすっ!!
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