いた

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いた

ある日、たくさんの話の中で私は、 「家、厳しいんだね」 という言葉を口にした。 すると、彼は、 「まぁね。一応王子様だし」 と答える。 私はそれにすごく驚いて大声をあげてしまう。 でも彼は、 「あれ?言ってなかったっけ」 と笑って返した。 全部話したと思っていたようだ。確かにいろんな話をした。言ってないことなんてないと思うくらいに。 そして、私たちは学校を一緒に卒業した。舞台の仕事も辞めた。 魔法使いの仕事が始まってからもお互い会いに行ったり、一緒にお出かけしたりした。 彼は幼い頃からバイオリンを習っているらしく、私と同じ舞台に出て、私が歌って、彼が演奏したりもした。 彼のいない時間も、彼も頑張っているから私も頑張らないとと思えるようになった。少し寂しいけど、また会える。 会える日には彼を力いっぱい抱きしめ、彼は優しく抱いてくれる。キスもした。 それから5年後… 私たちは本当に一緒にドラゴンを討伐。本当に厳しい戦いになった。でも、彼が助けてくれた。私のこれからの生きる原動力にもなっていた。 この先、何があっても彼と一緒に、隣を歩いていきたい。そう思うほどにその人を愛した。
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