普通に

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普通に

「私は明理(めいり)。よろしく…お願いします。」 そのあとすぐ、その男の子は校舎を見たいと言ったので私もそれについて行くことにした。 そして少し話をする。 彼には3年生にお兄さんがいるようだ。 そのお兄さんの教室に行きたいと彼が言って、先にそこに向かう。話し方が似ている男の子だった。 それから一緒に教室に戻り少しすると、2列に並ばされた。この時に真空くんとは離れてしまった。 何故か少し寂しくなる。 そんな時、隣の女の子に声をかけられた。 名前を聞かれ、答える。 今度は普通に答えられた。一度失敗したけど、今度は成功させることができた。 この調子でやっていこうと入学式中、そんなことを考えながら深呼吸をする。 周りにはもう寝てる人や、ひそひそ話している人もいる。その年の3年生はすごく真面目に並んでいた。そして、人数も少ないようだ。進級できなくて辞めてしまったのだろうか。 それだけ厳しい世界に足を踏み入れてしまったのだともう一度覚悟する。ここからも気を引き締めなくちゃいけない。 そして、入学式が終わった。 今日も仕事へ行った日よりも疲れた。緊張していたせいだろうか。もう緊張には慣れたと思っていたけれど、ダメな時はダメらしい。
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