生きていたら

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生きていたら

帰って、ご飯も食べずに眠ってしまう。すると、あの今日あった男の子が夢に出てきた。 真空くん。 彼がいちばん印象に残っている。綺麗な青い目をしていて、赤い髪の男の子だ。元気で、優しくて、面白い人。 何故か夢の中で、物を渡された。それは、鍵だった。何の鍵か分からないけれど、これは私の鍵らしい。 「これ、あげる」 とだけ言い、どこかへ去っていってしまった。あんなに走ってどこに行くんだろうと思っていると目が覚めた。今日は舞台の仕事の日だ。 今日から歌うというものが追加された。 もっと頑張らないと、やっていないと、勉強していないと、舞台の練習をしていないと他の人に置いていかれる。そんな焦りを感じながら日々を過ごす。 私は緊張しながらも歌い、また舞台に立つ。 すると次の日の授業前、真空くんが舞台について聞いてきた。 この前、私の歌った歌を聴いてくれたそうだ。すごく褒めてくれて、また聴きに行くと言ってくれた。 私は嬉しくなって笑ってお礼を言う。 そうすると、彼が、 「初めて笑ってくれた」 と言った。 そうだっただろうか、と一瞬考える。確かに、すごく気を張り詰めていたかもしれない。周りを注意深く見ていなければならないし。 そんな張り詰めていた私を彼は楽にさせてくれた。
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