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俺が抱えている事情は、絶対に秘密。
その秘密を守って生きてきた。
そして、その秘密は墓場まで持っていくつもりだった。
しかし、その秘密を暴く人物がいたとは……
いや、驚いたのはそれだけではない。
彼女もまた、絶対に秘密にしなければならない事情を抱えて生きてきたのだった。
これは、そんな俺と彼女との物語。
* * * * *
高校の中庭で一人、弁当を食べる。
つるむのが嫌いな俺は、いつだってひとり飯だ。
人間関係なんて煩わしいだけ。
昼食は一人きりになれる貴重な時間。
それを、とある女がぶち壊した。
「千博センパ~~~~イ!!」
誰だこいつは?
「千博先輩ですよね! 私、一年の佐藤真奈美といいます!」
聞いたことない名前だ。
かわいい子だけれど、いったい誰だ?
面識はないが、どこかで会ったことがある気もする。
「確かに俺は千博だけど……」
「はじめまして。私、千博先輩の大ファンなんです!!」
はぁ……
そういうことか……
── ファン ──
久しぶりに聞いたな、その言葉を。
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