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窓の外は相変わらず雨が振っていて、灰色の空模様だ。
北岡中学校の灰色の校舎も、空の色に溶け込むようだった。
そんなどんよりとした雰囲気をかき消すように、廊下から軽快な足音が聞こえてくる。
梨乃と春美は会話を止めてその足音に吸い寄せられるように視線を向けた。
すでに開け放たれた状態の教室前方の戸から、男子生徒が元気よく入ってくる。
「おっはよう!」
右手を上げて陽気に挨拶をするのは三沢文秋だ。
文秋は中学1年生だというのに身長170センチを超えていて、細身で、色白だ。
長い手足を邪魔くさそうに折り曲げて椅子に座っている。
ひどく猫背なの文秋の趣味がゲームだからだ。
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