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小さい頃から、音楽家の父に憧れていた。 聞く人を魅了する、美しい音色を響かせる父。 僕はいつも父のそばにいた。 愛する人を失った父は、ひどく落ち込んだ。 そんなときも、僕は父のそばにいた。 離れなかった。 でも、何もしなかった。 ただの、邪魔者でしか無かったんだ。 僕がまとわりつくせいで、 父にどれだけ我慢させただろう。 想像もつかない。 僕が能なしで馬鹿で屑だからだろうか。 父の顔はもう見れない。
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