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episode6
「え?」
「あの……黒田さん、ですよね?」
「あ、はい」
低身長の僕は、見上げなきゃいけないくらい、背の高い細身のすらっとした女性が、目の前にいて、僕の名前を読んでいる。
髪は光り輝くほどツルツル、サラサラ。
真っ白な肌に整った顔立ち。
ザ・仕事できる系女子。うん、今目の前にいる彼女を、言葉にしたようだ。
「ちょっとお話があるんだけど……」
綺麗だな……
同じ学校の制服を着ているということは中学生。黄色い名札の同学年。
……とは思えないほどの大人な女性。
スーツを着て営業に来ても違和感ないな……
「あの……聞いてる?」
「あ、ご、ごめんなさい」
あまりの美貌にくぎ付けにされていた……
恥ずかしいなぁ
「ちょっとお話があるんだけどいいって聞いてるんだけど?」
ちょっと怒り気味の彼女は僕にそう言った。
「別に、大丈夫ですけど」
……というか、なんでこの人は僕の名前を知っているんだ?
そして、誰なんだ?
「じゃあ先に教室入ろっか?」
「は、はい」
「ちょっと思ったんだけどさ、まさか私誰か分かってない?」
「ご、ごめんなさい」
「う、嘘でしょ!?」
いや、ほんとにだれなんだ?この人は。
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