色の灯をさがして

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「え?なんで……」  そこには、優しく微笑みかける未奈ちゃんがいた。 「久しぶり、だね」 「久しぶり」  その言葉を言った瞬間、涙がボロボロと溢れ出した。 「私、色なんてわからなくても幸せ。こうやって、未奈ちゃんといることがずっと幸せ。ずっと一緒にいてほしい。ねえ、お願い」  未奈ちゃんに悲しい笑顔が広がった。 「ごめん。それはできない。本当にごめんね。できれば私もずっとここにいたいけど」  今思えば、出会った幽霊は一日でいなくなって、別の人が来ていた気がする。つまり、未奈ちゃんも一日経てば消えてしまうのだろう。 「そっか……でも、最後に会えたのはとっても嬉しかった。会ってくれて、ありがとう」 「こちらこそ、嬉しい。ずっと会えなかったから。病気になんてならなければ、こんなことにはならなかったのに……」  未奈ちゃんは思えばずっと泣きそうな顔をしている。 「泣きたい時は、泣いていいんだよ」  そう私が言った瞬間、未奈ちゃんは泣き出してしまって、座り込んだ。私は未奈ちゃんをそっと抱きしめた。 「私、香澄ちゃんと話すのが好きだった。もっと話したかったのに……」  私は、未奈ちゃんに愛されていたのだと思うと自分の誇りになった。  それから少し話していくうちに、さよならの時が近づいた。 「じゃあ、またね。香澄ちゃん。もっと、自分に自信を持ってね」 「バイバイ。未奈ちゃん。ありがとう」  涙目を浮かべた未奈ちゃんは、光の向こうに消えていった。その日から、私の世界には色がついたように明るくなった。
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