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超絶かわいい彼女
「理央くん、一緒にかえろ?」
廊下から俺のいる教室へひょこっと顔を覗かせた萌香。
今日も超絶かわいい俺の彼女。
教室にいる他の奴らも萌香を見てるのがわかる。
そりゃそうだよ。誰が見てもかわいいもん、俺の彼女。
色が白くて、肩まである髪がサラサラしてて、小さい顔で睫毛が長くて、鼻がつんと高くて、いつもツヤツヤの唇してて。
近くに行くとなんかいい匂いまでする。
「あれ?萌香…今日の放課後、社会科準備室行かなきゃならないって言ってなかった?」
「あ!そーだった!」
目を丸くして思い出した感じの萌香。今年社会科の教科委員になり、今日も担当教師に呼ばれていたことを忘れてたみたいだ。
俺の彼女はちょっと天然でドジっ子だ。
それも含めてかわいい。
「待っててあげるから行って来なよ。」
「うん…。」
少し表情が曇った萌香。
「どうかしたの?」
「歴史の松田先生苦手なんだよね…。いつも睨まれてる気がするっていうか…。」
「あー松ティーか、俺も苦手だな。」
松田は歴史担当の30代くらいでたぶん独身で肥満体型のおっさんの教師だ。
確かにすれ違い様とか人のことジロジロ見てくるし、何考えてるかわかんない感じの先生だ。
萌香のこと睨んでるって言うけどたぶんかわいいから見てるんじゃないか?それなら許せない。
「俺も一緒に行こうか?」
「んー、大丈夫。明日の歴史の資料プリントだと思うから、ぱっと貰ってきちゃうね!」
ニコッと笑った萌香。笑った顔もかわいい。天使かな?
なんなら廊下を小走りにかけて行く後ろ姿までかわいい。
顔がニヤけてる自覚はある。
俺はこんな幸せな高校生活が永遠に続くと信じていた。
あの日までは…。
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