青春なんだ!

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青春なんだ!

翌日、貴島さんから連絡があった。 『理央くんに会わせたい人がいるんだ。僕と同じ年の恋高のミスコンでグランプリになった瀬川って子なんだけど…彼女も歴史が好きで一緒に発掘調査にも参加してて。多分松田先生も覚えてると思う。』 卒アルで貴島さんの隣にいた女子だと思った。 『彼女は当時から噂とか敏感だったし、僕よりは恋高のことも詳しいと思うんだよね。』 「貴島さん、早速ありがとうございます。」 『いや、昨日あの場で瀬川のこと思い出せれば良かったのに、帰ってからそう言えばーって気づいてね。瀬川に現役のミスター恋高の子が昔のことを調べてるっ電話したらすごく喜んでね、ぜひ会いたいって…』 「えっと、瀬川…さん?は今もこの辺に住んでるんですか?」 『いや、進学で東京に出てからずっと東京に居るんだけどすごい張り切ってさ…今日、地元へ戻って来るって言ってて』 「え!?今日?」 すごいフットワーク軽い人だな。 貴島さんの同級生なら33歳か? 仕事とか休んでくれたのかな?俺の疑問を察したのか貴島さんが教えてくれた。 『瀬川は漫画家なんだ。今ちょうど一つ仕事が終わって時間があるらしくて…。』 貴島さんは何か言うのを躊躇うように間が空いた。 『ちょっと変わってるけどすごくいいヤツだから。色々聞いてみて。あ、入れ替わりのことは念の為言わないでおいたよ。』 その後瀬川さんの連絡先を教えてもらい、貴島さんと話をした恋川市の市民会館のカフェスペースで会うことになった。
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