グリーンビーンの野望

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笑いと喜びに満ち溢れていた賑やかなテーマパークは、今では錆びた乗り物と砕かれた夢の墓場と化していた。往時の鮮やかな色は褪せ、鈍く無生命的な灰色に取って代わられた。しかし、この荒廃の中にも、すべての逆境に抗い繁栄する、シュールで神秘的なインゲン豆の畑がある。 こいつは「ど根青ミドリ」学名(Phaseolus resilientus viridis)といってパークの滅亡と入れ替わるように茂っている。異常な成長速度で工事車両に絡みつき撤去作業を妨げる。その難物が食用になるとわかり地権者は明け渡し訴訟が頓挫した。 俺は専属のスーツアクターであり、この畑の守護者となった人物だ。この戦いに孤独ではない。俺は豆勇者「グリーンビーン」としての精神を体現しており、逆境に直面しても希望と回復力の象徴である。 ときおりイカれたNGOが座り込みをして豆の有害性を訴えたりするが必殺のグリーンビームで薙ぎ払う。 しかし、この豆畑には敵役が存在する。それは「カメムシライダー」だ。公園の過去の商業主義と人工性の具現化であり、彼はインゲン豆の畑を破壊しようと執拗に追い求める。彼にとって、その畑は利益のために自然の美しさを破壊すること、公園のねじ曲がった価値観を象徴するものだ。 2b4e0cf2-5aab-44e9-830a-c271611c3103 [場面: 廃墟と化したテーマパークの中心部。グリーンビーンはインゲン豆の畑を見守っている。突然、地響きとともにカメムシライダーが現れる。] カメムシライダー:(不気味な笑い声)「フゥーハハハ!グリーンビーンよ、十年ぶりだなあ!死んだと思っていたのか?いいや、私は戻ってきた。この公園はまだ終わっていない!」 グリーンビーン:「カメムシライダー...!でも、お前は...どうして?」 カメムシライダー:「私はただの機械じゃない、公園の野望と執念の化身だ。お前がいくら自然の美を守ろうとも、私はそれを破壊するために存在する。」 グリーンビーン:(ショックと怒りを抑えながら)「お前のような存在がまたここに現れるなんて...。でも、私は畑を守る。お前のような破壊者には負けない。」 カメムシライダー:「ならば、戦うしかないな。この公園はかつての栄光を取り戻す...私の手でな。」 グリーンビーン:「人々の夢と希望のため、そして自然の調和のために、私は戦う。カメムシライダー、お前の悪夢はここで終わりだ!」 [カメムシライダーは巨大な機械の獣に乗り、グリーンビーンに襲い掛かる。グリーンビーンは自然の力を借りて応戦し、激しい戦い始まった]
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