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 夏休み最後の日、私は死ぬ。  自分で自分の首を絞め、首から上はびっしょり濡れて。  警察は「またか」と困惑しながら自殺として処理するだろう。せめて美しく死ねるように目を閉じたのは、我ながらよくやったと思う。  本当のことを言えば、もっと生きていたかったけれど……まさかあいつが生きているとは…。  仕方ない。やれるだけのことはやった。  ………。  …………。  ああ、目の前が真っ暗になっていく。こわい。これが…これが死ぬということなのね。  おとうさん、おかあさん、ごめんなさい。  私、頑張ったよ。  頑張ったけど、ダメだったの。だからゆるして。  できることならだれか。  だれかおねがい。  おねがいだから、この呪いを止めて。
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