瀕死の剣士を助けたら、懐かれて『番』認定受けました。

出会い⑤

　善は急げだ。結構日にちが経っているからクラウスって人が無事の可能性は低いけど、ドラゴンをこのまま野放しには出来ないしね。ここの人達じゃ犠牲者もどれだけ出るかわからないし、僕が行ってさくっと討伐しちゃおう。
　ヴィルマンが僕を止める声が聞こえるけどそれを無視してギルドを出る。そのまま街の出口まで向かって問題の山を確認する。

「あそこか。よし」

　補助魔法をかけて一気に駆け抜ける。そのまま跳び上がり風の魔法で体全体を押してやれば空を駆け抜けることが出来る。集中力が必要だし、ちょっと疲れるからあまりやらないけど緊急時だからね。
　そのまま山へと入るともうドラゴンの気配がビンビンしてる。居場所がわかりやすくて助かる。だけどこれはちょっとまずいかな。最悪なパターンだ。

　これだけ強い気配を感じるってことは、どうやら普通のドラゴンなんかじゃない。エンシェントドラゴンの可能性が高くなった。エンシェントドラゴンはドラゴン種の中でも最強だ。人間が簡単に討伐なんか出来っこない。クラウスって人は運悪く、エンシェントドラゴンに出会ったのか。これじゃあもう死んでる可能性が高いかな。