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最終話 未来へ④
まさか裏切られたことに感謝する日が来るなんてね。人生何が起こるかわからないもんだよ。
「クラウスも気を付けてね。僕を裏切ったら、きっととんでもない呪いをかけることになるだろうから」
僕の閉ざした心を開いたのに、そんな僕を捨てるなんて許さない。その代償はきっと大きなものになるよ。
「望むところだ。むしろあいつのように俺の子種を殺す呪いをかけてくれてもいいぞ。メルヒオール以外注ぐことのない子種だしな」
おっと。まさか自ら『呪いをかけろ』なんて言われるとは思わなかった。僕を捨てたり裏切らない自信があるから言えることなのかな。
「ふふ。もしかしたらもう既にかけてるかもよ?」
「そうか。それならそれでいい。別に不便はないしな」
ああもう。クラウスってば本当に僕にぞっこんなんだね。好きの気持ちが止まらないんだけどどうしようか。
「ねぇクラウス。ちょっとスピード上げてもいい?」
「ん? 別にいいがどうした?」
「早くどこかイイ所を見つけてクラウスにめちゃくちゃにしてほしくなっちゃった」
「ふはっ。よし、じゃあ星がよく見える所にしよう」
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