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クラウスside②
子供の時にギルドマスターに見込まれて体を鍛え剣も磨いてきた。一人で生きて行くためには強くなるしかなかった。そのおかげで今じゃ師匠よりも強くなれたが、どこかで驕りがあったのかもしれない。
緊急連絡用の魔道具がここにあれば……なんて今そんなことを考えても手元に現れるわけがないのに。それが今現在手元にないことが俺の驕った心の表れだろう。
今頃ギルドの奴らは俺のことを心配しているだろうか。エンシェントドラゴンが現れたということだけでも伝えられたらよかったのだが。
傷を負いながらも逃げ回り隠れ続けてもう何日経ったのか。
負傷を負いながら常に緊張を解くことも出来ず、水も食事も満足にとることの出来ない日々。たった数日のはずだろうが、数か月この状態なのではと思う程の疲労感。生き延びることを諦めたくはないが、あのドラゴンはきっとそれを許さないだろう。俺も意識が朦朧としてきている。
『グォォォォォォ!』
「っ!?」
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