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出会い①
「兄ちゃん、タバラの街に到着だ」
「おじさん本当にありがとう。凄く助かったよ」
「なぁに、いいってことよ。俺も兄ちゃんといろいろと話せて楽しかったぜ。じゃ、またな」
馬車の荷台から降りて礼を言う。この街へ向かう途中に出会ったおじさんにここまで乗せてきてもらったおかげで、随分と楽が出来てしまった。
手を振ってそのおじさんを見送る。その姿が少し小さくなったところで、僕も街の中へと足を進めた。
ここはハイラント王国の王都からかなり離れた辺境にあるタバラの街。
この街はそれなりに大きくて人の数もまぁまぁ多い。いろいろな屋台も出ていて活気に溢れている。屋台から流れてくるいい匂いに誘われて肉の串焼きを一本買った。冒険者ギルドの場所を確認して、串焼きを食べながらそこへ向かう事にした。
僕は回復術師のメルヒオール。一人で冒険者をしながらいろいろなところへ旅をしている。そこで依頼を受けて路銀を稼いでまた旅をする。行先はいつもいきあたりばったり。自由気ままに行きたいと思ったところへ旅をする。何年も続けてきたおかげでかなり遠くまで来てしまった。
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