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出会い③
「はぁ!? 相手はドラゴンだろ!? ここにいる冒険者はクラウス以外ドラゴンを相手に出来るわけねぇよ!」
どうやらこの近くにドラゴンが現れたらしい。ドラゴンは狂暴でそう簡単に討伐出来る魔物じゃない。パッと見ても、ここにいる冒険者たちはドラゴンと戦えるほどの強さはなさそうだ。無理だと叫んだ男の気持ちもわかる。
「あのー、そのお話ちょっと聞かせてくれる?」
「あ? なんだ兄ちゃん。見ない顔だな」
「僕、今さっきこの街に到着した冒険者なんだけど、ドラゴンが出たって聞こえたから確認したくて」
この状況を一番分かっていそうな雰囲気だったヴィルマンと呼ばれた男に話しかけた。僕の顔を見て訝し気にしながらも状況を教えてくれた。
「この先にある森にドラゴンが現れたっていう情報が入ってな。数日前からうちの冒険者が一人討伐に向かったんだ」
「え? ドラゴン相手に一人で?」
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