クラウスside①

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クラウスside①

『グオォォォォォ!』 「くそっ……」  後方でドラゴンの咆哮が聞こえる。いや、咆哮というよりも俺を嘲笑っているのだろう。  ドラゴン討伐を依頼され来てみれば、予想外の相手が現れた。エンシェントドラゴン(古龍)。遥か長い時を生きた孤高のドラゴン。知能も魔力も何もかもが桁違いな最凶最悪な奴だ。  ギルドでは『ただのドラゴン』だと聞いていたのにいざ蓋を開ければ『エンシェントドラゴン』。流石の俺でもこいつには勝てない。気付かれる前に撤退しギルドへ事情説明をしようと思ったが、俺の企みはこいつと目が合ったことで打ち砕かれた。  ドラゴンは鋭い爪を振り上げ俺に向かって勢いよく振り下ろした。それを間一髪で避けると一気に駆け出し距離を取ろうと試みる。だがドラゴンは巨体とは思わせない俊敏さで俺の行く手を阻んでくる。ドラゴンは俺を一思いに殺すことはなかった。きっと俺を玩具だと思って遊んでいるんだと思う。攻撃してはその手を止め、しばらくするとまた攻撃を仕掛けてくる。俺の体には様々な傷が増えていった。
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