自転車(空気入れ)泥棒(9)…実際の話

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自転車(空気入れ)泥棒(9)…実際の話

チンピラA「へへへ。確かに怖ええや、便子さん。恐れぃ入りやした」 ばってん「だからよ、おめえもこのまま俺たちの走(ぱし)りをやってよ、早く一人前のチンピラになれや。いつまでもチンピラにAを付けた下っ端じゃなくってな」 チンピラA[へい、兄貴、頑張ります」 ばってん「うん、よかよか、それで。何せ、見てみぃや、俺たちのこの暮らしぶりを。えー?こうやって朝から晩まで遊んで暮らせてよ、好きなように飲み食いしてりゃええんじゃ。もう20年もこうやで。のう。おいズべ子、缶ビールのお替りを出したれや、こいつに」 ズべ公「あいよ。(全員に)あんたらも飲むかい?」 ばってん、クソモト、便子「はいっ!」 チンピラA[ガハハハ。まったく豪勢なもんですね。真っ昼間から。それに皆さん、車まで親分に買っていただいたりして。悪魔に魂を売れば何とか(身は楽に)…とかの図ですね?」 ばってん「何か云ったか?」 チンピラA「ぶるるる、何も(思わず本音が…)。俺も皆さんにあやかりたいと云っただけです」 ばってん「だろ?よし。じゃ、ほらズべ子、もっとつまみを…スルメでも豆でもチーズでも、ビーフジャーキーでも、もっとドンドンみんなに出したれや。まったくよ、あの阿呆(つまりわたくし、三遊亭私)のお陰で毎日こんな花見暮らしじゃ。ガハハハ」 便子「でもその阿呆はそんな私たちを称して、毎日毎晩、俺の真下の部屋で林間学校(の枕投げの如き、楽しい馬鹿騒ぎ)をしやがって!と、こう云うとりました」 ズべ公「こら、便子。あたしの旦那の博多弁を真似るな」 ばってん、クソモト、便子、チンピラA[アハハハ」 ズべ公「じゃみんなでカンパーイ!」 悪党全員「カンパーイ!!!!」
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