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自転車(空気入れ)泥棒(13)…実際の話
便子「ホント、悪い人たちだ。何せこの稼業(つまりわたしへのストーカー)を始めてから20年以上だからね。その間ずっと親分から生活費もらってるからさ、結果を出さない限りもう止められないんだよ、この人たち…いや、わたしたち」
チンピラA「20年すか!すっげえなあ…それで?その金ぜんぶド派手に使って来たんですか?」
便子「使いやしねえよ、あんた。あたしら感心にも、ちゃんと貯金して来たんだ」
ばってん「でめえで云ってりゃ仕方ねえわな。ガハハハ」
ズべ公「見せてやろうか?チンピラA、あたしらの貯金通帳を。ゼロの数を数えたら、おまえ魂消るよ」
チンピラA「へえ、是非」
ばってん「(ズべ公に)やめとけ、おろかもん。それよりもな、チンピラA。おめえも励めばこんな金を稼げるようになるんだぜ。あ?こんな楽(らっくう)な暮らしをしてな。管理人の爺がもらってる、チンケな又貸し料なんぞ目じゃねえぞ。いいか?おめえもまだパシリばってん、せいぜい励めや。な?」
チンピラA「へい、ばってん…あ、いや、合点です」
ばってん「ガハハハ。この野郎…」
ズべ公「しっ!野郎、着いたよ。すぐに部屋ん中入るよ。こっからは声を落としな」
チンピラA「(小声で)やるんですか、ズべ子さん。へへへ。お手並み拝見しやすよ。これ(コンプレッサー)いったいどんな音するんです?」
便子「MAXにしたらすげえ音と振動だよ、普段からだけどさあ、あいつよく我慢できるもんだと思うよ」
チンピラA「へー、普段から。そーすか。それじゃあ便子さんもホント悪い人だ」
便子「うるせえ」
ばってん「ガハハハ」
ズべ公「しっ!野郎、着いたよ。すぐに部屋ん中入るよ」
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