講談1・お力(10)

1/1
前へ
/64ページ
次へ

講談1・お力(10)

(言葉を失った気に)ああ、そうすか。まったく、もうやってらんないな…どうもお前さん、ストーカーの回し者だな。あのチンピラどものセリフの「親分(ストーカーのやらせ元。不動産の金満家)の云うことを聞けーっ!」そのものだよ。畜生、もうもう降壇しようかな…。 客B「ワハハハ。まあそう云うなよ。聞いてやっからよ。講釈するよりもう一曲行ったらどうだ?ああ?したらまた〝いいぞ。おカマあ!って褒めてやっからよお。ワハハハ」 ああ、そうすか…(舞台を降りようとする)。 客C女性(か、あるいは姿は見えずとも一葉もしくはお力の声だけ?)「負けないでーっ!私(わたくし)さーん」 (声のかかった方を見て、また客Bを睨みつけてから)…ようござんしょ。一曲お聞かせ申し上げますよ。「木曽路の女」の男と女を替えて、♬好きです、あなた♬のあなたを一葉さんかお力さんと思って、お聞かせ申しゃあしょう。わたしゃあね、死んでも一葉さんに、お力さんに、その意気に感じてご随行申し上げるつもりなんですよ。はい、それじゃあ「木曽路の女」スタート。 https://youtu.be/Ih0E5maNLsw?si=jKEoEZoDGuNn7pyp ←ユーチューブ・木曽路の女~宮史郎(セリフ「一次郎さん」入り) (気の入った歌いぶりに万雷の拍手を受けて)いやあ、どうもありがとうございます。 【降りるに降りれない、引くに引けない私(わたくし)野郎の、客Bを睨むイメージです。私(わたくし)にはストーカーどもに負けられない意地がある! from pixabay, by Pexels ↓】354e893d-f74f-4cc0-9a2b-ad1ff5fd73aa
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加