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自転車(空気入れ)泥棒(7)…実際の話
で、ありますから、この事実をもう20年以上も親分からの仕送りで遊び暮らし果(おお)せ、「これ間違いなし」をすっかり体得しているチンピラどもに於ては、チンピラなりの気骨稜稜 (きこつりょうりょう)ぶりを発揮して何憚りません。つまり前述の「この団地のオーナーも管理人も(それになんと)警察までもが(?)俺たちストーカーの味方、グル」だという安寧の領域ですね。ではズべ公のその安寧からの長広舌に戻りましょう。
ズべ公「…いいかい、あいつはさ、確かに又貸し野郎の管理人のとこへなど届けに行かないだろうけど、たぶんポストに置手紙なりをきっとするよ。そしてひょっとしたら警察にも同じことをするだろうさ。こっちの方はきっと交番とかに実際に出頭してな。そしてその時に思い余ってあたしらの苛みも口にするかも…いや、こちらの方も文面にして出すかも知れない。だからさ、それを待ってから因縁をつけさせればいいよ。管理人の爺にな。〝おい、警察が調べに来たぞ。そんな、盗難とか、又貸しとはいったい何だ?!こっちで保管してあるんだよ。あんな太い鎖で柵に縛り付けやがって。見た目が悪いからこっちで…〟とか云わせてさ、そんでもってこの団地から追い出させればいいんだよ」
ばってん「なある…おめえ悪知恵効くな。へへへ。もっとも野郎の心ん中を読んだんだろうけどな。このう、霊視女め。へへへ」
ズべ公「何云ってやがる。そのあたしらの、霊視女の褌で飯食ってやがるくせに」
クソモト「そ。この便子と2人のお陰。こいつの霊視のお陰で俺は奴の小説を散々ぱら盗作させてもらってるよ」
便子「悟るな。バカヤロ」
チンピラA「やりますねえ。ひどいですねえ。兄貴と姉御たち。へへへ。まったくこれじゃあの野郎、モノは盗まれるは、かと云って盗難届けなど下手に出せばこの団地から追ん出されるはで、踏んだり蹴ったりですね。ハハハ。こんな調子で20年間もあいつを苛んで来たんですか?」
ばってん「おうよ。文句あっか?」
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