消えた同僚

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きっと今まで元旦那さんの栗山刑事に色々、尋問されていたのだろう。 「おかえり」  私が言うと、母は疲れたぁと、嘆いた。 「自分だって刑事時代、人にそうやって色々同じこと何度も聞いたんでしょ?」 「そうだけどね。いざ、自分がそんな立場になると疲れるなぁ」  母は、ドッと椅子に腰かけた。私は母の側へ歩み寄った。ジッと母の顔を見る。本当に女優のような顔立ちだと思った。目も鼻も整っていて、娘の私がいうのも何だけど美しい。この容姿に惹かれた男性はどれだけいただろうか。 (私はお母さんに似てるのかなぁ)  そんなことを思いながら、で、どうだったの? と問う。母は座り直して「あぁ」と、思い出したように口にした。 「よく会うおばあさんの話によると、三谷さんの部屋にご年配の男性がよく、出入りしてたそうよ」 「え?」
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