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そこからは地獄絵図だった。
食い散らかされる人間。噛み殺される人間。追われて追われて力尽きる人間。
人間、人間、人間、人間。
人間がせっせここしらえたコンクリートの地面が、茶色と赤で染まった。
あそこにもヒト。あそこにもヒト。ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒト。
ヒト。
その中にあいつらはいるのかさえも分からない。
あたり一面、人の山。
鋭敏になった嗅覚に、血と腐った肉の匂いが染みた。沁みて滲みてしみて、心を蝕んだ。
すっきりとなんてしなかった。ただ、気持ちが悪い。
これならいっそのこと、
犬死にの方が良かったな。
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