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しかし、意外と早く打ち合わせの時間を持つことになった。
澪緖さんがお子さんを伴って莉子の家にやってきたのだ。二人は同じ時期に、ママになりそれ以来、ママ友に。
子供たちを遊ばせながら、ベビーシッターさんこみで交流があるようだった。
だから、俺が、瑛人と莉子夫婦と同じマンションに住んでいることも知っていたらしい。
いつものように、莉子から、晩飯の誘いを受け、二人いや、今は四人の部屋へ向かうと、澪緖さんと息子の航くんが……。
「おかえり~。今日は、ママ友の澪緖ちゃんと航くんも一緒だよ?ビックリした?」
クスクスと笑う莉子。
すると、リビングで、双子の鳴き声が……。
「あっ、起きたみたい。つかの間の休憩だったわ。」
そういうと、慌ててリビングに引っ込んだ。
俺は、この冬に、双子の伯父さんになったばかりだ。
「瑛人は?今日も遅いのか?」
「ん~。午後からお祖父様の家に呼ばれて……。」言いずらそうに莉子が、言葉をにがした……。
「またか……。俺からも言っておくから……。」
佐々木コーポレーションの取締役を引退したが、会長として君臨している爺さんは、瑛人たちを海外支社に行かせようとしている。勿論、家族全員で。
爺さん曰く、若いうちに海外の経験が大事で、今後の佐々木コーポレーションの将来のためだというが……。
後、一年待ってくれと、俺が話していたのだが……。
そうすれば、俺も会社に入るわけだし……。
何か、意図がありそうだが、瑛人は、毎回うんざりしながら、実家に呼ばれている。
そして、毎回、
「無理」と言って帰っているらしい。
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