帰宅

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ガチャッ。 「ただいま。相変わらず、しつこいじいさん、ばあさんだわ……。」 スーツ姿で、瑛人が帰ってきた。 「あっ、澪緖ちゃん、いらっしゃい。兄貴、何でそんな顔?あー、腹減った。」 すぐに、斉木さんがやって来た。 「瑛人さん、おかえりなさい。ご飯は、そちらに準備してありますから。後は、ご自分で。」 それだけ言うと、子供部屋へ戻った。 「で、兄貴は、何でそんなに暗いの?」 莉子が、今までの内容をざっと話す。食べながら、聞いていた瑛人。 「兄貴、何、ビビってんの?珍しく……。澪緖ちゃんだって、大きな賭けだと思いながら、頼んでるんだ。」 「直緖さんと話した時は、前向きに、返事できたんだ。ただ、今、冷静に考えると……。記憶をこじ開けるような作業だ。大きな危険も考えられるはずだ……。」 「だけど、刺激がなければ、以前の生活に戻ることは、ずっと遠ざかるんだろ?」 澪緖さんが頷いた。 「兄貴、覚悟、決めたら?俺がいうことじゃないけど……。」 そういうと子供部屋へ向かった。
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