直緒さんと

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直緒さんと

日々の業務と自宅の往復。 そんな日々が、2ヶ月過ぎた頃、中村屋の跡取りである直緒さんから連絡をもらった。 「飲まないか?」という一文。 久しぶりに、会員制のホテルのバーへ向かった…。 「いらっしゃいませ。お連れ様があちらでお待ちです。」落ち着いた声が聞こえた。 「桂樹、まだ、バイトしてたのか?」 「……。“まだ?”と申しますと?」 澄ました笑顔で切り替えされてしまった……。 案内された席に向かう。 「理人……。何だか、色、白くないか?後、痩せたか?」俺を見てすぐにそう話した直緒さん。 病気の心配をしているのだろう。 「今年から、柔道部顧問なんです。だから、日焼けもなくて。それから、稽古をつけてるので、少し引き締まったかもしれないですね。」 「前は、テニスだったよな?外に出ることが減ったのか……。」 他愛のない話をし、ウイスキーを口に運ぶ。 直緒さんの様子を探る。 何か話があるのだろう……。 「理人、志緒に会ってみるか?」 何の前触れもなく、突然、聞いてきた直緒さん。 俺は、返事も出来ず、無言になる。
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