日常 にちじょう

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   柳香は昔、俺が小さい時、今となってはもう正確に覚えていない程の頃から親が普段家にいない為に入れられた、施設なるもので一緒に育ち、一度分かれるも、中学でまた会いまみえたという、ただならぬ因縁を感じる俺の幼友達(幼なじみではない。ここ重要)なんだが、その施設の頃から超能力や超常現象なんかに興味を持っている超絶エキセントリック少女で、さらに再会した中学での活動ぶりといったら極めつけだった。  俺は入学する時までは柳香がいることなど知らず、勿論クラスにもそんなエキセントリックな女子はいなかった。  だが、この中学校で俺が奴、光明柳香の存在を知るのにさほど時間はかからなかった。  柳香は入学早々、学年中の噂になるほどトチ狂った自己紹介をしたらしく、柳香の存在や数々の所業を生々しく鮮烈に覚えていた俺はその噂を聞き付け、一番最初に「間違いなく柳香だ」と気付き、そして次に「やりやがったか」と懐かしみながら思った。  久しく会わなかったと思ったら、エキセントリックぶりにさらに磨きをかけてきていたのだ。 まったくもって少しは目立つ行為を控えようという気は無いのだろうか…。  さらに学習面では驚くほどの秀才、いや、天才ぶりを発揮してくれる柳香である。 運動面でもそこそこの様で、やはり変な目で見られているのは当然のことだ。 だから中学三年となった今ではほとんどの人間は近寄ろうとしないし、柳香もまわりの人間に対して飛んでいる埃くらいに無関心だ。 話しかけてくるごく少数の物好きには明るく接するが、いなくなった途端、一人で何やらブツブツと呟やいたりしている。  しかし、俺には普通に話しかけてくるうえに、俺と一緒にいる時のみ性格が激変する。 一挙にポジティブ&ハイテンションな調子だ。 この豹変ぶりは一体なんなんだろうか…。 超能力(以下略)に関する話をしていてるときなんか、どう否定しても、次の意見を述べて自分のいい方向に向かうように話を進める。 俺が何かを言っても軽くあしらってくれるうえに、挙げ句の果てには無視すらしてくれる。
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