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明智の家
現在も変わらぬちょんまげスタイルで、明智は仕事をテキパキとこなしている。
最初の頃、計算が必要な作業があると電卓でもエクセルの表計算でもなく、そろばんをはじき出すので驚いた。それも早いのなんのって。
新人歓迎会の時は、さすがに先輩達に色々と質問されていたが、至って真面目に答えていて、笑うタイミングを失った皆は「あ、こいつマジでヤバい奴なんだ」と静かに理解した。
変な奴だが、明智はいい奴だ。
俺は同期でもあるし、友達と言ってもいいくらいには仲がいい。
先週は実家暮らしの彼の家に遊びに行った。
家にお邪魔するのは初めてだったが、両親と妹、そして最近飼い始めた犬がいる事は聞かされていた。
「田中!」
明智の家がある最寄り駅に彼が迎えに来てくれた。俺は片手を上げて挨拶をする。
「……お前、相変わらずのセンスだな」
俺は明智の私服を見て呟いた。
下は黒のチノパン……これは俺も持っている。
上はグレーのパーカーを羽織り、中に浮世絵がプリントされたTシャツを着ているのだが、そこに添えられている文字がおかしい。
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