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「なぁ、明智。お前の家族もその……皆、そういう感じ?」
「え? そういうって?」
――そういうは、ちょんまげだの、The和風なのかと聞いている。
俺が期待と不安でドキドキしているうちに、明智家に到着した。
中古の一軒家を買ったという2階建てのその家は、瓦屋根に窓には障子。つまりは和風の造りで明智のイメージにはピッタリだった。これで真逆の洋風な家に住んでいたら、何かしっくりこない。
「ただいま戻りました」
丁寧な口調で明智が声をかけると、奥から彼の両親が出てきた。
「おかえり、お友達の田中さんね。いつも政宗がお世話になっております」
「さあさ、早く上がって寛いで」
ラベンダー色のワンピースにエプロンをつけた、巻き髪の物腰柔らかな母親と、タートルネックの黒いニットを着たガタイのいい父親……あれ? 見た目、普通じゃね?
髪型も服装も……現代に馴染んでいる!!
「田中、俺の部屋へ案内するよ」
俺は戸惑いながらも両親に挨拶をし、階段を上がる明智の後ろをついて行った。
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