【後日談】非魔法使い《ペルデール》の街

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 背後の俺に警戒する様子がないユーリスに杖を向けて魔法を唱えようとしたときだった。  倒れている男が手にしていた煙玉が突然音をたてて爆発する。 「ゴホ、ゴホッ……これは、さっきまでとは違う……しびれ玉か」 「ゴホッ……いや、催涙弾だ……あまり吸い込むと良くないぞ!」  再び視界が白く染まると、先ほどまでの白い霧状の煙玉とはまるで違った。  (むせ)ながら目の痛みから、焼けるような感覚に全身が悲鳴をあげる。  少し前に受けた電撃魔法でさらに思考が回らなくなるのを感じて、ユーリスの記憶を消すどころじゃなくなった。  このままじゃ、この場で意識を失う最悪な事態も予想できる。任務のことを知っているヘルへニールが、直ぐに動くとも限らない。  万が一にでもユーリスのような非魔法使い(ペルデール)に先に見つけられたら困る。  すでに、出口の転移魔具(ポルタ)がある場所の目星はついていた。  催涙弾と言うユーリスはなにかしらの対策を知っているようで、なにか叫んでいる。  そもそも、そんな単語も初めて聞いた。
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