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攻撃系統魔法最強の男
「おーい、ルクス~。今日は、なんの探し物だァ?」
「ハァァ……仕事内容は秘密だ」
誰にでも陽気に話しかける道具店の亭主に捕まり、短く返事をする。
「ハッハッハ、そうだったな! そんな姿形なのに、勿体ねぇなァ!」
この人も昔は魔法使いとして活躍していたとかで、俺の容姿と実力について声をかけてくる内の1人だ。
そんないつもの光景、昼の街中で、風が心地良く肌に触れる。
今日も俺は探しモノの魔法を駆使して、前ではなく地面に目を向けていた。
落とし主は中流階級の御婦人で、ダイヤモンドのついた結婚指輪を探すのが今回の依頼である。
朝10時頃のこと。
なにやら、明日開かれるパーティーで必要らしく、郵便箱の代わりにしていた、使っていない暖炉から、魔法によって依頼の文が飛んできた。
今日の夜までに探してくれとの依頼なため、いつもなら寝ている時間から探している。
「……かれこれ1時間は探しているぞ。盗まれているんじゃ……」
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