犬小屋の女

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 記者の者、今日はインタビューということで、我が家まで足を運んでくれてありがとう。コーヒーでも飲むかい? それとも紅茶がいいかい?  え? いらない? 時間がないので早速インタビューを始めるだって? そんなに急がなくてもいいじゃないか……ハハ……。まぁいい、では始めてくれ……。  ほほう、今回のインタビューは作家の身の回りを探るという趣旨で行うのか……なるほど……で、質問は?  何……やはり作家の周りには、変わった人間が多いのかだって……?  そうだな、たしかに変わった人間は多い。  何を以て変わったというのかは不明だが、世間一般の常識ではまず考えられないようなことを空想したり、空想するどころか実際に行動に移したりする人間もいる……。  例えばどんなことをする人間かって?  そうだな……あくまで一例だが、「犬小屋の女」の話でもしようかな……。  何……時間がないので手短に頼むだって……何故そんなに時間がないのにインタビューに来たのだ……。まぁいい、どうせそれほど長い話でもないし、してみようじゃないか……。え? 私は小心者なので怖い人がでてくる話はなるべく控えてくれだって? 勝手な記者だな……まぁいい……分かった……分かった……。録音の準備はいいかね……。エ、もうしてるって? そうか……そうか……。  それでは始めるとする……。  しかし、これは身近な人物というより友人伝てに聞いた話だ……。まぁ、友人の友人の話ってところだな……構わないかい? そうか、では始める……。
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