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⑧ジングルベルナイト
DTMに向かう意欲はあるものの、小説のことで頭がいっぱいになってしまった自分なのですが、そんな姿を傍で虎視眈々と眺めている眼があったのでした。
うちの長男。
当時はまだ中学生。
ある日、ちょっとやってみる?と簡単に使い方を教えて椅子を譲ったが最後、もはやそこは彼の定位置と化してしまった。
かくしてそれから5年、自分は一度もDTMに触れていない。
触れられない。
今やそこは、マイクセットなんかも並ぶ、自分が使っていた時とは違う別世界となっています。
おやつの袋や、いくつものコーヒーカップも。たまには片付けろ。
まあ、うちの軽の中古車一台半分の出費も無駄にはならなかった。
彼は現在、音楽を学ぶ学校に通っています。自分が持っているより有意義。
ただ、自分自身が作った音楽ファイルは消えてしまった。
パソコンがバグを起こし、動かなくなった時があって、その時、自分の作ったcubase上のデータは消してしまったのでした。
そんなわけで今や、YouTubeに残したこの8曲がデータのすべて。
もう作り直せない。
いつかまたDTMはやりたいと思っているのですが、その時はまた機材をそろえないとなあ。
(終)
最後の曲は「ジングルベルナイト」です。
ほんの少し早いですが。
舞台はストリップ小屋。
クリスマスイブの特別興行。
寂しい男たちとそれを慰める踊り子の風景。
こんな風にイブを過ごしていた時があったなあ、としみじみ。
音源はコメント欄に。
各位ここまでお付き合いくださり、心より感謝いたします。
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