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「ご機嫌ようお花さん」
道端にある可憐なお花に向かって私は挨拶をするの。このお花はどこかから風に運ばれてやってきたのかしら。あなた、お生まれはどちら?あらそう。南の国からやってきたの。どうりで随分と明るい色をしているわけね。5枚の花びらがバランスよく付いてて素敵ね。花びらが5枚なのは何か理由があるの?私の唇がひとつなのはちゃんと理由があるわ。私の唇は大事な一人の人だけの唇だから。それにしてもあなた、こんなに可憐なのだからそんなに首を垂れていないでもう少しピンとしなさいな。できないの?よほど恥ずかしがり屋さんなのね。私の大切なあの人みたいじゃない。
今日はお日様が顔をだしてぽかぽかしているわね。でも残念だわ。明日は雨模様らしいの。もしもたくさん雨が降ったら、枯れ枝と枯れ葉で作った小さな傘にあなたを入れてさしあげるわね。
それではご機嫌よう、さようなら。
お花さんとお話したあと、私は今日もお昼に主人意外の大切なあの人と寝るの。
自分の気持ちに素直で、純粋無垢な私。
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