背乗り

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数日後、転職エージェントから連絡が来た。 李の思惑通り、希望の会社を含めた二社の採用担当者が会いたいといっているとの事だった。 その後一か月掛け自然な形で入社する会社を目的の会社に絞り、待遇の折衝をし採用手続きへと進んだ。 そしてついに、特命の第一段階、「ライバル会社への入社」という仕事を達成した。 配属部署は、ソフト開発部二課第2グループ。 最先端技術の開発は一課で二課は周辺のソフト開発を担当する。 一課で開発を進めている技術が本丸で、そこの情報が欲しいところだが、新規採用者をいきなり開発中枢部に入れる事は流石に無い。 課と言っても七十人ほどの人員がおり、それが二十数人ごとに1.2,3のグループに分かれている。 初出社の日、二課へ中途採用された新入社員として紹介されたのは私の他に山口という男がいた。 私よりも少し年上に見えるその男も第2グループへ配属されていた。
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