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相手
「秋絵ちゃん!」
栗本秋絵が散歩していると、商店街のほうから紅が手を振りながらやって来た。彼女もこの付近を散歩することを趣味としている。
秋絵は国内最高と言われる国立の大学生。実は大学内に隠れファンが多い、ユルふわな和風美人。紅は175cmの高身長でスタイル抜群。スーツを着たら社長秘書が似合うカッコイイ美人。お互いに年齢は近そうであっても接点がないような2人。しかし、散歩の際、紅から秋絵に話しかけられて友達になった。彼女は社交的で親しみやすい一面があり、秋絵の散歩相手ともすぐに仲良くなった。
いつの間にか、紅はかがんで秋絵の散歩相手と話している。
「こっちの手もお手!」
「ワン」
「可愛い〜っ!」
「ワン、ワン」
「人懐っこ〜い」
「そうなんですよ。しかも人間の手が好きみたい。ずっと手を見つめているんです」
「へぇ〜」
「ねえ、マロン。何で手が好きなの?」
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