Black Angel~SECOND~

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Black Angelはメジャーデビューし、約3年が過ぎた。 ユウとダイチは再度、同棲を始めた住み慣れた1kの部屋から4LDKの分譲マンションに引っ越した。 ゲストルームもあり、他にもベッドはあるものの、相変わらず、2人の寝室には1kのベッド。 「広いベッドは落ち着かない」 とユウは譲らず、口を尖らせるユウにダイチは苦笑した。 買い物に出かけた2人だが、もうすぐツアーが始まる事もあり、その為の買い物でもある。 面白がって他のメンバーまで着いてきたのだが。 「2人だと週刊誌にでも撮られたら心配だしさ」 とは言うが、 「男同士だし、怪しまれねーだろ。外ではなんもしねーよ」 ユウもダイチも照れ臭くもあったが呆れてそう返す。 「やっぱりアレ?部屋着やパジャマはお揃い?色違いとか?」 ベースのコウに茶化され、ダイチは真顔になりユウは真っ赤だ。 「うーわ、ユウ、顔、真っ赤!」 ユウはドラムのサトルに頬を指さされ、慌てて顔を隠すように両手で熱い頬を押さえつける。 「てか、アレだよな。ラストのドーム終えたら旅行でも行く?」 コウが張り切った明るい声で言う。 そう、マネージャーから随分、働き詰めだった事から、と、ツアーが終わったら長期休暇を言い渡されたのだ。 「んー?それはダイチとユウの邪魔じゃない?」 「あー、ハネムーンてか」 コウとサトルの声に、ユウとダイチは同時に吹き出した。 「....なんだよ、ハネムーンて」 と、眉を寄せるダイチの傍ら、 「....いいかも、それ」 ユウがポツリ、小さく呟き、ハッとした時には既に遅し。 メンバー全員の眼差しがユウに向けられていた。 「じょ、冗談だよ、冗談!ほら、早く行こ!時間、無くなる!」 慌てて、ユウが逃げるかのように足早に歩き出す背中を、ダイチだけでなく、コウとサトルも笑った。
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