律希

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その後、大学内を爆走する車椅子は、一時SNSで話題になった。 顔バレしたひーちゃんと共に、お説教を食らう。 「…納得いかない」 病み上がりなのに、ってひーちゃんの方が怒られた。 怒られたことより、俺を腫れ物に触るように遠巻きに見てたことの方が許せないらしい。 「…笑うな」 むくれるひーちゃんが可愛くて、ヘラヘラしてたら怒られた。 「好き」 「はぁ?!」 「ふふふ」 「………」 きっと、ひーちゃんは俺が1度死んで生まれ変わったんじゃ?くらいに思ってる。 いや、生まれ変わりとか信じてないのは知ってるけど。 もう2度と会えないと思ってた。 会えた今は、もっと伝えたくなっただけ。 ひーちゃんが大好きだよ、って。 「ひーちゃん」 「……」 「ひーちゃんってば」 「………」 呼び続けたら、呆れつつも絶対傍に来てくれる。 確保!ってつもりでぎゅっと抱き付いた。 俺の車椅子姿を見慣れない人や、噂を知ってる人の視線は意外と疲れる。 充電………………完了! 「行ってよし!」 いてっ! 呆れ顔のまま、頭を叩かれた。 呆れ顔でもひーちゃんは愛しい。 エネルギー補給してヘラヘラしてたら、 抱き締め返してくれた。 サービス?と思って抱き締め返したら、頬に柔らかな感触。 「ひーちゃん?!」 驚いて声がひっくり返った俺に、ひーちゃんが見せた満面の笑顔は眩し過ぎて。 絶対ひーちゃんより長生きすると心に誓った。
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